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慢性蕁麻疹の漢方治療
■慢性蕁麻疹
医療機関を受診される蕁麻疹の中で多いものが特発性蕁麻疹(急性・慢性)で、思い当たる原因や刺激がないのに自発的に現れることが特徴です。このタイプの蕁麻疹は形と大きさがさまざまで、毎日のように症状が現れます。夕方から夜、ないし明け方にかけてひどくなることが多く、疲れやストレス、細菌やウイルス感染があると悪くなります。多くの特発性蕁麻疹は発症して1カ月以内に改善しますが1カ月以上経過したものはその後も長く続くことが多く、治療も難治性となります。特に、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤内服でコントロールできない蕁麻疹に対して、個人の体質改善を目標とする漢方薬は有効です。
発症して1カ月以内のものを急性蕁麻疹、1カ月以上続くものを慢性蕁麻疹と呼びます。急性蕁麻疹の場合は、麻黄剤、麻黄と石膏の配合剤、茵蔯加剤が適用になります。慢性蕁麻疹の場合は、その原因や誘発因子に対する漢方治療を考え、食事性(魚介類など)、物理性(温熱や寒冷刺激など)、コリン性(発汗による)、心因性(ストレス)に分類して処方します。原因不明の場合は、柴胡剤や駆瘀血剤使用します。
性差、体格、体質、胃腸状態、精神状態を加味しながら、その人に合った漢方薬を処方します。
■蕁麻疹の分類別漢方エキス剤処方例
急性蕁麻疹 | |
---|---|
◆麻黄剤 | 麻黄湯、葛根湯、越婢加朮湯、麻黄附子細辛湯 |
◆茵蔯加剤 | 茵蔯蒿湯、茵蔯五苓散 |
慢性蕁麻疹 | |
◆食事性 | 香蘇散、防風通聖散 |
◆物理性 | |
温熱刺激 | 消風散、白虎加人参湯 |
寒冷刺激 | 麻黄附子細辛湯 |
冷え強い | 当帰四逆加呉茱萸生姜湯 |
◆コリン性 | |
発汗刺激 | 防己黄耆湯、桂枝加黄耆 |
ストレス | 加味逍遥散、抑肝散 |
◆心因性 | 半夏厚朴湯、抑肝散、加味逍遥散、四逆散 |
特発性蕁麻疹 | |
◆胸脇苦満 | 大柴胡湯、柴胡桂枝湯、柴胡加竜骨牡蛎湯 |
◆臍傍部痛 | 桂枝茯苓丸、通導散、桃核承気湯、大黄牡丹皮湯 |